バンコクに住む友人(一時帰国)したので、皆と久しぶりの会食をしたときの話。友人はイングラムジムというジムでムエタイ(タイ式キックボクシング)を習っているのだが、そこでとてもカラダが大きくて、ちょっと見怖そうな日本人がトレーニングに来ていたという。しばらく通っているうちに、その大柄な日本人が”藤田”という名前で、格闘技の選手だとは分かったが、それでもどんな選手なのかは友人には分からない。そんなおりに、その藤田さんがストレッチをしながら話しかけてきたらしい。以下はその会話。
藤田さん「バンコクに住んでるんですか?」
友人「はい。藤田さんは有名な人なんですってね」
藤田さん「いや、そんな有名ってほどじゃないっすよ」
友人「試合とかするんですか?」
藤田さん「5月22日に埼玉アリーナでやりますよ、埼玉アリーナ知ってますか?」
友人「知りませーん。でも、その頃日本に帰っているから、行ってみようかな」
藤田「ぜひ来てください」
友人「じゃあ、一番前に座って、藤田サーンって大声で応援しますね」
その藤田さんとは、もちろん、5月22日のK-1 ROMANEXで例のボブ・サップに圧勝した藤田和之のことであり、友人はその試合を結局テレビで見たという。そりゃそうだ、埼玉アリーナの最前席なんていくらするか。
知らないといくことは恐ろしく、友人の無邪気さに藤田さんも内心苦笑していたと思うが、そのときの友人にしてみれば、彼はただの「顔は恐いけど、けっこういい人」だったのである。
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